若い時から洋楽が好きで、今でもよく聴いています。
特に1960年~80年代の洋楽には名曲がたくさんあります。
そんな名曲たちを、若い人たちにも知ってほしい、聴いてほしいと思い
訳詞を含めた紹介サイトを作っています。
その中から特に泣ける洋楽名曲を、紹介サイト「洋楽和訳 若者に捧げたい名曲」からピックアップしてご紹介します。
紹介サイト▼
Scarborough Fair(スカボロー・フェア)/ サイモン&ガーファンクル
もとは古いイギリスの民謡で、伝承的に伝えられてきたバラッド(Ballad)といわれる歌です。
それをサイモン&ガーファンクルがカバーし、大ヒットしました。
主人公はスカボロー市場へ行くという人へ、そこにいるという愛する女性への伝言を頼みます。
それは、針を使わず、縫い目もないシャツを作ってくれ、海の中に家の土地をさがしてくれ、ヘザー(植物)を革の鎌で刈り取ってくれなど、不可能なことばかり伝言します。
中世のイングランドでは戦争が多く、おそらくこの女性も亡くなっていて、もし奇跡が起きてこの無理難題が一つでも可能になったら、彼女は再び現れてくれる。
そんなせつない主人公の想いが込められています。
また、歌詞の中にコーラスで”Parsley, sage, rosemary and thyme“(パセリ、セージ、ローズマリー、そしてタイム)とハーブの名が出てきます。
これは、彼女が庭にハーブを植えていたのでしょう、主人公との幸せな生活が目に浮かんできます。
歌詞の内容を理解して聴くと、涙が止まらない曲です。
The Water Is Wide(悲しみの水辺)/ カーラ・ボノフ
この曲も、スコットランドに伝わる古い民謡です。
Peter,Paul&Mary(ピーター・ポール&マリー)やKarla bonoff(カーラ・ボノフ)がカバーしてヒットしました。
NHKのTV番組「まっさん」の中で、エリーが口ずさんでいることでも知られました。
「この河は広すぎて、私には渡れない」
と静かに歌い出すこの曲は、愛する人とこの世では結ばれない悲しい恋を歌っています。
「ボートを下さい、二人が乗れるほどの」「それから二人で漕ぎだすの、私の愛する人と」
二人がボートを漕ぐように、二人でいられる世界へ旅立っていく、、、
そんな悲しくも、せつない情景を想像させる名曲だと思います。
We’re All Alone(ウィ・アー・オール・アローン)/ ボズ・スキャッグス
1976年にボズ・スキャッグスがリリースしたシングル「リド・シャッフル」のB面に収録された曲ですが、その後リタ・クーリッジなどのカバーで再評価されました。
愛する人を残して死んだ主人公が、いつまでも自分を想って泣いている恋人に向けて、「もう泣かないで、僕たちはいつもいっしょだよ」と語り掛ける。
人は大事なものを失ってから、その大切さを思い知ると言われますが、この主人公も「今まで忘れていたけど、僕たちはこの世で二人きりの存在だった、君は唯一無二の大切な人だった」と振り返っているように思えます。
Summertime(サマータイム)/ ジャニス・ジョプリン
1936年にビリー・ホリディのカバーがヒットして以来、ジャズのスタンダード・ナンバーとなった曲です。
歌詞は、1920年初頭の南部の貧しい黒人の生活を描いたオペラの挿入歌で、悲惨な生活の中でも将来のわが子の幸せを祈る子守歌です。
歌詞自体も極悪な貧困の中で、わが子の幸せを子守歌として祈る哀しい歌ですが、それにもまして、ジャニスが歌うと、なにか彼女が幼少から感じていた孤独や疎外感による哀しみを、ストレートに魂の叫びとしてぶつけているような気がします。
なぜだかわかりませんが、自然と涙がこぼれてきてしまいます。
Close To You(クロース・トゥ・ユー) / ケイト・ウルフ
この楽曲を作ったケイト・ウルフ(1942-1986)は、アメリカのシンガーソングライターであまり知られていませんが、彼女の楽曲は素朴でありながら深い意味の歌詞をもち、正直に生きた彼女自身を表現しています。
この楽曲は、おそらく今は天国にいるであろう恋人に会いたくても、彼はもういない。
けれど、この歌を唄うことで、あなたに近ずける、身近に感じることができる…。
亡くなった恋人を想う女性の切なく哀しい情景を、美しく表現しています。
Englishman in New York(イングリッシュマン・イン・ニューヨーク) / スティング
この楽曲はスティングが、ロンドンからニューヨークに移住したイギリスの作家、俳優で同性愛者のクエンティン・クリスプに向けてつくりました。
クエンティン・クリスプがいた当時のイギリス社会では、同性愛者への偏見や差別が横行していて、彼クリスプは大変な屈辱や差別を受けました。
この曲には、スティングがそんなクリスプの人生から受けた衝撃と畏敬の念が表現されています。
The Rose(ローズ) / ベット・ミドラー
この曲は、ジャニス・ジョプリンをモデルにした1979年アメリカ映画「ローズ」のテーマ曲です。
孤独から逃れるために酒や麻薬に溺れて、歌い続けた彼女の人生を描いています。
この歌は、そんな彼女をやさしくいたわり、寄り添ってくれるような歌詞に泣けてしまいます。